陸上養殖における水温管理の重要性とは?魚の成長と安定した飼育環境を支える水温管理
陸上養殖では、水槽内の水質や酸素量などさまざまな環境を管理する必要があります。
その中でも重要な要素のひとつが「水温」です。
魚は種類によって適した水温が異なり、水温が大きく変化すると
餌の摂取や成長などにも影響する可能性があります。
海や河川とは異なり陸上養殖では飼育環境を設備によって管理できる一方で、
水槽内の環境を人為的に安定させる必要があります。
今回は、陸上養殖において水温管理が重要とされる理由や、水温が変化することで起こり得る影響
安定した水温を維持するための方法について解説します。
陸上養殖で水温管理が重要な理由

魚にはそれぞれ適した水温がある
魚は種類によって、生育に適した水温が異なります。
例えばマダイやヒラメ、トラフグなど、養殖の対象となる魚にはそれぞれ適した飼育環境があります。
そのため、すべての魚を同じ水温で管理すればよいというわけではありません。
また、魚の成長段階や飼育環境によっても求められる条件は変わってきます。
陸上養殖では対象となる魚に合わせて水温を管理し、
できるだけ安定した環境を維持することが重要になります。
水温の変化が養殖魚に与える影響
餌の摂取や成長に影響する
魚は水温によって活動状態が変化します。
水温が適切な範囲に保たれている場合と適温から大きく外れた場合では、
餌の摂取量や活動量などに違いが出ることがあります。
養殖では魚を健康的に成長させ、安定して飼育していくことが重要です。
そのため水質などの管理だけでなく、水温についても継続的に確認する必要があります。
特に養殖規模が大きくなるほど、水槽内の環境を安定させることは重要になります。
急激な水温変化にも注意が必要
水温管理では、単純に「高い」「低い」だけを見るのではなく、
急激な温度変化にも注意する必要があります。
例えば季節の変わり目や夏場などは、
外気温の変化によって水槽内の温度も変化しやすくなります。
水温が短時間で大きく変化すると、魚にとって負担となる可能性があります。
そのため陸上養殖では現在の水温を把握するだけでなく、季節や天候による変化も考慮しながら
水温を安定させるための設備や環境を整えることが大切です。
陸上養殖ではなぜ水温が変化するのか?
では、陸上養殖の水槽内の水温はどのような原因で変化するのでしょうか。
主な理由としては以下の3つとなります。
外気温の影響
水槽内の水は、周囲の気温から影響を受けます。
特に夏場は外気温が高くなるため、水槽や配管などを通じて水温が上昇しやすくなります。
屋外に設置された水槽だけでなく、屋内であっても施設の温度が高くなれば
水温に影響する場合があります。
日射や設備環境の影響
水槽が設置されている場所や施設の構造も水温に関係します。
直射日光が水槽に当たる環境では、水温が上昇しやすくなる場合があります。
また施設内の換気や断熱の状態などによっても、周囲の温度環境は変化します。
そのため水温管理を考える際には水槽そのものだけではなく、
設置場所を含めた環境全体を見ることが重要です。
循環設備や周辺機器からの影響
陸上養殖では、水を循環させるためのポンプなどさまざまな設備を使用します。
こうした設備の稼働によって発生する熱が水温に影響する場合もあります。
水温が想定以上に上昇する場合には、外気温や日射だけでなく水槽や配管、
循環設備などを含めて原因を確認することが大切です。
陸上養殖の水温を安定させる方法
水温を安定させるためには、まず水槽や施設の環境を見直すことが基本となります。
直射日光を避ける、施設内の温度環境を整える、水槽周辺の断熱を検討するなど、さまざまな方法があります。
しかし、外気温が高くなる夏場などはこうした対策だけでは十分に水温を下げられない場合もあります。
そのような場合に検討したいのが、冷却設備の導入です。
冷却設備を使用して水温を管理する
海水を利用した陸上養殖では、海水を冷却するための「海水クーラー」が使用されることがあります。
海水クーラーは、循環する海水から熱を取り除き、
水槽内の水温を設定した温度に近づけるために使用する設備です。
水槽の容量や循環する水量、外気温、設置環境などによって必要となる冷却能力は異なるため、
設備を導入する際には、養殖環境に合わせて適切な機器を選ぶことが重要です。
単純に大きな冷却能力の機器を選べばよいというわけではなく、
実際の使用環境を考慮して選定する必要があります。
海水クーラーを選ぶ際に確認したいポイント
海水クーラーを選ぶ際には、まず水槽の大きさや使用する水量を確認することが重要です。
そのほかにも、
- どの程度まで水温を下げたいのか
- 使用する海水の量
- 水の循環量
- 設置する場所の温度
- 水槽や配管の設置環境
- 想定される外気温
など、さまざまな条件を考慮する必要があります。
特に養殖設備では、一年を通して安定した水温管理を行う必要があるため、
最も水温が上昇する時期を想定して冷却能力を検討することが大切です。
また、海水は淡水とは異なる性質を持っているため、
海水に対応した材質や構造であるかどうかも設備を選ぶ際の重要なポイントになります。
まとめ
陸上養殖では、水質や酸素量などと同じように水温も安定した飼育環境を維持するための重要な要素です。
魚種によって適した水温は異なるため、対象となる魚に合わせた水温管理が必要になります。
また、外気温や日射、施設の環境などによって水槽内の水温が変化する場合があるため、
季節による温度変化にも注意が必要です。
水槽や施設の環境を整えることに加え、必要に応じて冷却設備を使用することで
より安定した水温管理を目指すことができます。
海水を利用した陸上養殖で水温管理を検討する場合は水槽の容量や水量、設置環境などを踏まえ、
適切な冷却設備を選ぶことが重要です。
FLOW冷熱工業では、海水を冷却するための海水クーラーを取り扱っています。
海水の冷却や水温管理についてお困りの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。


